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神経ブロック・脊髄鎮痛法の指導

がん疼痛治療の領域の中で、神経ブロックや脊髄鎮痛法は麻酔科医師、ペンクリニック医師が実践すべき治療法である。膵臓癌の内臓痛の治療として有名な腹腔神経叢ブロックに代表される「神経破壊による鎮痛」は、がん患者のQOLを改善し、大量の麻薬使用を避けることができる。我々研究会の医師が培って来た代表的な技術として、腹腔神経叢ブロック(内臓神経ブロック)、上腸間膜動脈神経叢ブロック、下腸間膜動脈神経叢ブロック、上下腹神経叢ブロック、不対神経ブロック、そして、脊髄くも膜下鎮痛法(ポータカットII:院内使用承認必要)を指導の中心に考えている。

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腹腔神経叢ブロック

(内臓神経ブロック)

 麻酔科やペインクリニック医師であればできて当然と思われている手技のひとつ。膵癌、胆管癌、十二指腸乳頭部癌、胃食道噴門部癌、肝転移などに伴う上腹部内臓痛に適応があります。

 事前のCT画像での作図方法、透視装置の位置決定方法、アプローチ、時間配分、使用薬剤など細かく指導していきます。教科書や動画だけでは修得困難なことも、実際にGuide by Handで教えることができます。再現性のある方法を伝授します。

 手術室で、通常の透視装置(C-アーム)で可能です。

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上下腹神経叢ブロック

不対神経ブロック

 婦人科癌、泌尿器科癌、下部消化器癌など骨盤内臓痛に適応があります。

 手術室で、通常の透視装置(C-アーム)で可能です。内臓神経ブロックの時とは、少しだけ透視装置の配置に工夫が必要です。

​ 不対神経ブロックは、骨盤内臓痛でも特に会陰部、肛門部に近い痛みに適応があります。

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フェノールサドルブロック

 Mile’s手術後の肛門痛、肛門部痛、会陰部痛に適応があります。

 手術台を折り曲げて実施します。手技的には簡単なものですが、細かい点で注意が必要です。

​ 使用するフェノールグリセリンは院内製剤で作製しなくてはならないので、薬剤部の協力が必要です。合わせて院内製剤を使用する許可を院内の倫理委員会などに通しておく必要があります。

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脊髄くも膜下カテーテル留置および皮下ポート設置術

 神経ブロックの適応がない、神経ブロックをしたが範囲を超えて痛みが出てきた、医療用麻薬を増量してもほとんど効果がない時は、この手技の適応を考えます。脊髄神経系の範囲であればどこでも効果を期待できます。

 最大の利点は、オピオイドの投与量が100分の1くらいになること、鎮痛効果が高いこと、眠気などの副作用を心配しなくてよいこと、痛みに応じて増量することが可能なことなどです。

 欠点は、一時的に頭痛が出ることがあること、注入用ポンプを携帯しなくてはならないこと、1週間に1回の薬液交換が必要なこと、在宅医が管理に慣れておらず訪問診療を引き受けてくれないことなどです。

 一般的には硬膜外鎮痛から始まり、効果を確認したあとで脊髄くも膜下鎮痛に進みますが、時間的余裕がない方には直接実施することもあります。

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